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私は中学校卒業と同時に自衛隊へ入隊する自衛隊生徒として自衛官生活を送っていましたが、6年間の自衛隊生活を経て民間企業へと転職、その後、フリーランスとして活動するようになったのですが、自衛隊を辞めるときに、どんな業種へ転職しようかとずいぶんと悩んでいました。
そこで、ここでは、転職を考えている現役自衛官の方に向けて、自衛隊退職後におすすめの業種についてご紹介したいと思います。ひとりでも多くの方の参考になれば幸いです。
あなたが転職を考える理由は??
おすすめの転職先の前に、あなたが自衛隊を辞めようと考える理由は何でしょうか。
自衛隊からの転職と言っても、退職理由によってもおすすめの業種は異なります。転職した後になって、こんなはずではなかった・・・。自衛隊を辞めなければ良かった・・・。と後悔することのないように、自分の転職理由を今一度考えてみてください。
自衛官が転職を考える理由
退職理由は人それぞれ異なりますが、大きく分けると以下のようなケースがほとんどです。退職理由によっておすすめの転職先はことなるので、退職理由ごとにオススメできる業種や自衛隊を辞めた私だからこそできるちょっとしたアドバイスをご紹介します。
- 上司や同僚と馬が合わない。人間関係にうんざり
- 連帯責任・団体行動など体育会系の雰囲気が合わない
- 営内生活や外出に関して規則が多い
- 訓練や特別勤務がつらい、キツイ
かなりざっくりと分けましたが、退職理由としてはだいたいこんな感じではないでしょうか。それぞれの項目ごとに説明していきます。
上司や同僚と馬が合わない。人間関係にうんざり
自衛隊を辞める理由として最も多いのが「人間関係」に関するところです。
正直なところ、人間関係だけを理由に自衛隊を辞めるという判断はおすすめしません。
というのも、自衛隊という組織は全国各地に存在し、部隊によってまったく雰囲気の異なるものです。今いる部隊が自分に合わないなら、移動願いを出してみるのもひとつの手だからです。とはいえ、人間関係を理由に自らの命を投げ出してしまう隊員が多いのも事実なので、一線を越えてしまう前に転職に踏みだした方がいいのは確かです。
では、人間関係を理由に転職をしたい場合、どういった業種が良いのでしょうか。
結論から言うと、どの業種にも苦手なタイプの人間というのは必ずいます。しかし、環境を変えれば、自分にあった居心地のいい職場に辿りつく可能性もおおいにあります。どの業種を選んでも、ツライこと・嫌なことというのは出てきますので、最初はやりたい事に挑戦してみてはどうでしょうか。
私の場合は、上司との人間関係というよりも、同僚や先輩との人間関係がイヤになってしまいましたが、人と接すること自体はとても好きだったので、自衛官からの転職後は飲食店を選びました。
連帯責任・団体行動など体育会系の雰囲気が合わない
これは自衛隊特有の悩みと言っても過言ではありません。一般企業でも多少の規則やルールは当然ありますが、自衛隊に比べればなんてことはありません。ただし、一般企業では個人で結果を出さなくてはいけない場面がしばしばあります。そのため、良くも悪くも個人の能力で解決しなくてはいけなくなるということも頭の隅に入れておきましょう。
このタイプの方は、トラックやタクシーの運転手、営業マンといった、個人レベルで働ける業種が向いているのではないでしょうか。
営内生活や外出に関して規則が多い
これも自衛隊特有の悩みと言えます。自衛隊を辞めてしまえば、門限もなければ・外出申請も必要ありません。何時にご飯を食べても何時に寝ようと自由です。しかし、その分、自分で時間をコントロールしなければなりません。
これを理由に自衛隊を辞める場合は、どの業種を選んでも間違いなく解消されるのではないでしょうか。しかし、大手企業になればその分、会社の規則が厳しいところもあるので、規則に縛られるのが苦手であれば、自由度の高い職場を選ぶのも良いでしょう。
訓練や特別勤務がつらい、キツイ
訓練や特別勤務がツライという理由で退職を考える人は、体力面なのか、精神面なのかによっても異なりますが、体力勝負となる業種よりは、事務職や整備士、クリエイティブ系など、頭を使う業種の方が向いているのではないでしょうか。
自衛官の転職先として多い業種にトラックの運転手、警備員、現場作業などがありますが、どれも体力勝負なので、このような業種への転職は体力的に厳しいかもしれません。
私の場合、訓練や特別勤務は嫌いではありませんでしたが、年齢がいった時のことを考えると肉体労働はしたくないなぁと思い、飲食業のあとはWEBの世界へ飛び込みました。
転職先の業種によって選ぶべき就活方法が変わる
自衛隊を辞めるとなると、次の就職をどうしようかと考えることになりますが、希望する転職先の業種によって就職活動の内容も変わってきます。
自衛官が就職活動を行う方法としては、主に、「就職援護を活用する方法」と「一般の転職サイトを活用する方法」のふたつがあります。それぞれにメリット・デメリットがあるので、簡単にご紹介します。
就職援護を活用する場合のメリット・デメリット
自衛官の転職で最も多い就職活動が就職援護を活用した転職です。
就職援護は定年を控えた隊員の再就職をサポートするためにありますが、中途退職者ももちろん利用できます。就職援護を利用する場合、以下のような転職先が多いといわれています。
- トラック運転手
- 工場労働者
- 警備員
- 引越し業者
- 介護ヘルパー
- タクシー運転手
- コールセンター など
これらの業種を転職先として考えている場合は、就職援護を活用した方が転職に成功しやすいでしょう。また、給料面や待遇といった面も就職援護から転職した方が良い条件になる場合があります。
一方で、就職援護のデメリットとしては、取扱業種がかなり限られているという点です。上述した業種を見てもお分かり頂けるように、肉体労働かつ重労働な業種が多いので、これら以外の業種へ転職したい方は一般の転職サイトを利用することをおすすめします。
転職サイトを活用する場合のメリット・デメリット
就職援護を使わないで転職する場合、ほとんどが転職サイトを利用することになります。
転職サイトを利用する場合のメリットは、何と言っても取扱業種がたくさんあることです。自分が進みたい業種に合わせて転職サイトを選べば、転職成功率はぐーんと上がります。
転職サイトを使う場合のデメリットはほとんどありませんが、就職援護と比べると、斡旋がない分、自力で企業探しからやっていかなくてはいけないので、少し大変ではあります。
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元自衛官が考える退職後のおすすめの業種 まとめ
自衛隊を辞めたいと思っているけど、引きとめられてしまう・なかなか認めてもらえない、という人は新しい転職先を見つけることにより、転職しやすくなるとも言われています。
しかし、転職を考えている場合は、ただ漠然と辞めたいと考えるだけでなく、どうして辞めたいのか、どういう仕事をしたいのかということを充分に考えてください。それによって選ぶべき転職先・就活方法が変わってきます。
自衛隊からの転職を勧めるわけではありませんが、辞めてから見える景色というのもあるので、現在、転職しようかどうか悩んでいる方、また、どんな業種へ転職しようかと悩んでいる方の参考になれば幸いです。
以上、元自衛官が考える退職後のおすすめの業種 終わり